一般社団法人AiCTコンソーシアム(福島県会津若松市 代表理事:海老原 城一)は、内閣府のデジタル田園都市国家構想推進交付金(Type3)事業に採択された、福島県会津若松市の「複数分野のデータ連携による共助型スマートシティ推進事業」のうち、一部サービスを先行して提供開始したことを発表します。
会津若松市の「複数分野のデータ連携による共助型スマートシティ推進事業」は、データ連携基盤である都市OSを活用して、ヘルスケア、行政、観光、防災、決済、食・農の6分野でデータ連携と付加価値の創出につながる市民向けデジタルサービスを実装するものです。本事業6分野のうち、2022年10月に先行運用を開始したサービスの主な内容は以下の通りです。
・農産物の生産者と、宿泊施設や介護施設、飲食店といった地域の実需者をマッチングするサービス「ジモノミッケ!™」を10月11日から提供開始。併せて、複数の生産者・消費者を繋ぐ集出荷経路を最適化し、理想的な配送を実現するサービスも提供する。
・今年度末には、決済分野と連携したデジタル地域通貨による決済機能を拡充予定。さらに、市況価格や取引状況を表示するダッシュボード等の機能を拡充することで、地域内の需要情報および供給情報を可視化し、地産地消を優先した新しい流通網の構築を目指す。
・産業観光に繋がるスマートシティ視察の受付・行程管理を9月12日から一元化するとともに、自治体や地域関係者が発信している観光情報を一元的に配信するサービスを10月31日から提供開始。飲食店関連情報から先行リリースし、飲食店の開店・閉店・満席等のリアルタイム情報をマップ上に表示する。
・今年度末には、観光情報一元配信サービスを拡充させ、物販やコワーキングスペースなど、飲食店以外の観光情報も配信開始予定。さらに、個人の行程情報や訪問履歴に合わせて滞在体験を支援するパーソナライズサービスの提供を目指す。
・地域ウォレット「会津財布」を活用し、スーパーなどでの食品購買情報と連携した健康セミナーを実施。健康維持につながる情報を受講者に提供し、より健康的な購買行動を促す。10月24日以降、対象者にデジタル地域通貨を付与し、スーパーでのお買い物で利用できる。
・今後、食・農分野と連携し、生産者と需要家の納品状況に基づいてリアルアイムに精算処理を進める「現金化リードタイムゼロ」の実現を目指す。デジタル地域通貨によるキャッシュレスを普及させ、地域で購買データ利活用することで地域全体の生産性向上を目指す。
・都市OSと地域IDを活用の上、市民のオプトイン(事前承諾)に基づき、IoTデバイスで取得した市民自身のバイタルデータ管理と一部総合病院の医師へのデータ連携を実現する「ヘルスケアパスポート」、および高血圧を専門とする遠隔診療サービス「テレメディーズBP」が10月31日からサービス提供開始。IoTデバイスとのバイタルデータ連携には「バイタルゲイン」も活用。
・今年度末にはデータ連携を拡充し、受診履歴(処方・検査結果)もスマートフォン上で確認し、健康管理に活用できる予定。さらに、医師やオンライン健康相談事業者が、市民のIoTライフログ情報と受診履歴を閲覧しながら診察や健康相談をできるようにすることで、市民一人ひとりの生活習慣に寄り添った健康管理を支援できる仕組みの構築を目指す。
・災害時に避難所などを案内するデジタル防災サービスを開発。介護分野とも連携し、避難時に支援が必要な市民への対応を高度化。在宅ケア支援アプリと連動することで、要支援者の安否回答機能、自主防災組織・自治体への要支援者避難状況・安否回答状況共有機能を10月31日から一部の市民に先行提供開始。
・今年度末には、避難時に支援が必要な市民が個別に避難計画を作成できる機能を拡充予定。オプトインにより提供された個別避難計画や安否情報などに基づいて”パーソナライズされた災害対応の実現”を目指す。
■行政分野 「行政手続き連携による“書かない”手続きナビ」
・マイナンバーカードの本人確認機能を活用し、転入・転出・転居およびそれらに伴う各種手続きのオンライン一括申請を10月3日から提供開始。
・今年度末には、対象手続きをさらに拡大予定。行政が保有している情報を活用することで、市民が同じ情報を何度も提供しなくてもよい、“書かない/入力しない申請手続き“の実現を目指す。
「複数分野データ連携の促進による共助型スマートシティ推進事業」全体概要 出典:会津若松市
会津若松市の室井照平市長は次のように述べています。「デジタル田園都市国家構想推進交付金TYPE3に採択された6分野の事業のうち、10月末までの早期実装を計画していた全てのサービスを、無事提供開始しました。計画全体ではさらなる拡充が予定されている中、まずは早期実装サービスから市民の皆様に実際に体験いただける状況ができ、喜ばしい限りです。事業推進にご尽力いただいたお二人のアーキテクトに改めて御礼申し上げるとともに、この短期間でシステムの開発・構築等を進めて頂いたAiCTコンソーシアム事業者の方々に心から感謝いたします。市民の皆様の生活利便性をさらに向上させ、また同様の課題を抱える地方都市のモデルとなるべく、引き続きスマートシティを進めてまいります。」
AiCTコンソーシアム 代表理事の海老原城一 (アクセンチュア イノベーションセンター福島 センター共同統括)は次のように述べています。「デジタル田園都市国家構想推進交付金TYPE3の事業について、地域住民の皆様や地元企業の方々に、サービスをいち早く提供開始できたことを大変うれしく思っております。引き続き、地域の方々からフィードバックをいただきながら、サービスのさらなる拡充を目指します。日々の生活で利便性を実感していただけるスマートシティサービスの実現に向けてAiCTコンソーシアム一丸となって推進してまいります。」
一般社団法人AiCTコンソーシアムについて
AiCTコンソーシアムは、オプトインによるデータ活用とパーソナライズによる市民中心のスマートシティ実現に向け、国内外の有力企業、会津地域の企業や団体など、約90の会員企業・団体で構成されているコンソーシアムです。2011 年に会津若松市・会津大学・アクセンチュアの産学官連携で始まった、東日本大震災からの復興に向けた取り組みを端緒として、先進的なスマートシティの取り組みが進み、多数の企業が会津若松市に集積したことを受けて、2021年に設立されました。会員企業・団体は、スマートシティのデータ連携基盤となる都市OSを軸に、ヘルスケア、防災、データ利活用、ものづくり、エネルギー、教育、食・農、地域活性化、観光、行政、決済、モビリティインフラ、スマートホーム、サーキュラーエコノミー領域など、幅広い分野のスマートシティサービスを、組織の枠を超えて開発、運用しています。本コンソーシアムでは、会津地域で10年以上をかけて培われた知見、プラットフォーム、ネットワークをもとに、会津における地域DX(デジタル変革)を目指すとともに、日本のあるべきスマートシティのモデルとして全国に発信しています。
会員企業の詳細は、AiCTコンソーシアムのWebサイトをご覧ください。
お問い合わせ先
一般社団法人AiCTコンソーシアム 事務局(担当:満田、齋藤)
電話:0242-88-5855
Mail : sac-support@aict.or.jp