一般社団法人 AiCT コンソーシアム(福島県会津若松市 代表理事:海老原 城一)は、内閣府のデジタル田園都市国家構想交付金(デジタル実装タイプ TYPE3)事業に採択された福島県会津若松市の「複数分野データ連携の促進による共助型スマートシティ推進事業」について、令和4年度に引き続き、令和5年度もその実施主体に決定されたことを発表します。 なお、このデジタル実装タイプTYPE3として採択を受けたのは、今年度全国8地域で、そのうち、会津若松市は東北地方で唯一の採択地域です。
会津若松市では、10年以上にわたり、市民が自らの意思で共有する(オプトイン)データの活用で、市民一人ひとりのニーズに寄り添った、データ駆動型スマートシティを目指し、「スマートシティ会津若松」に取り組んできました。AiCT コンソーシアムでは、市民生活に密着した16分野でワーキンググループを設置し、会員企業が組織の枠を超えて、スマートシティを推進しています。
出典:会津若松市
昨年度の「デジタル田園都市国家構想推進交付金(デジタル実装タイプTYPE3)」採択事業では、デジタルサービス6分野(ヘルスケア、行政、観光、防災、決済、食・農)でデータ連携と付加価値の創出につながる市民向けデジタルサービスを実装しました。今年度AiCTコンソ―シアムが実施主体として取り組む事業は、都市OSなどのこれまで構築してきた機能を活用し、新たに「地域活性化」、「行政」、「エネルギー」の3分野において、マイナンバーカードを活用したデジタルサービスを実装することで、市民生活における多様な場面での利便性向上や付加価値を創造します。
今年度実施する具体的な取り組みは以下の通りです。
・ デジタルクーポンやポイントサービスによる商店街店舗DX
令和4年度の事業で実装した地域課題解決型のデジタル地域通貨「会津コイン」を活用し、従来商店街組合が運用していた紙のクーポンやポイントカードなどをデジタル化します。市民が地域の小売店で便利でお得に買い物ができるだけではなく、地域の情報やクーポン・ポイントが一つにまとまって、便利でその人に合った買い物体験の実現につながります。地域の小売店にとっても、小規模事業者でもデジタルマーケティングが可能になるほか、来訪可能性の高い適切なターゲットに絞って施策を打つなど効果的かつ継続的な販売促進が可能になります。
・ 簡単&迅速なデジタル行政手続き
令和4年度の事業で実装した「書かないデジタル手続き」をさらに拡充させ、出産・子育て分野での市の給付事業において、「会津コイン」で給付が可能になります。また、市が構築する来庁予約機能と連携することでオンラインと対面がよりシームレスに連携した行政手続を実現します。
・ 環境価値の地域循環サービス
太陽光発電など、二酸化炭素を排出せずに作られた電力は、地球温暖化対策や二酸化炭素排出量の削減などにつながる環境価値を持った電力です。このたび、市民の自家太陽光発電量を測定して、その環境価値を国が認証するJ-クレジットに変換します。このクレジットを市内企業に売却することで、環境価値の地産地消を実現し、ひいては地域全体でカーボンゼロのまちづくりを推進します。さらに、参加する市民は、これまで活用しきれていなかった環境価値を売却できるようになり、その売却益を都市OSを通じて地域通貨「会津コイン」で受ける形とすることで、その価値を地域の経済循環に繋げていきます。
なお、会津若松市は環境省の第3回脱炭素先行地域に選定されています。AiCTコンソーシアムは会津若松市の共同提案者として、ゼロカーボンシティの実現に向けて取り組んでいます。
出典:会津若松市
会津若松市の室井照平市⾧は次のように述べています。「このたび本市の提案が評価され、昨年に引き続き、デジタル田園都市国家構想交付金デジタル実装タイプ TYPE3の採択を受け、事業を実施していく運びとなりました。『ここで暮らし続けたい』と思える未来の会津若松に向けて、そして未来のまちづくりの先端事例として、全国の自治体の先駆けとなるよう、『スマートシティ会津若松』をさらに発展・深化させてまいります。」
AiCT コンソーシアム 代表理事(アクセンチュア・イノベーションセンター福島 センター共同統括)の海老原城一は次のように述べています。「昨年度に引き続き今年度もデジタル田園都市国家構想交付金デジタル実装タイプTYPE3事業として、都市OSを活用した市民向けサービスを拡充できることを喜ばしく思います。引き続き地域住民の皆様や地元企業、大学と連携しながら、日々の生活で利便性の向上が感じられるスマートシティサービスの実現を目指します。また、全国に先駆けたデータ連携の先進事例として、会津から全国へ展開していけるよう、AiCT コンソーシアム一丸となって推進してまいります」
本事業の詳細は、会津若松市のサイトをご覧ください。https://www.city.aizuwakamatsu.fukushima.jp/docs/2013101500018/files/R5_digiden_sinsei.pdf
一般社団法人AiCTコンソーシアムについて
AiCTコンソーシアムは、オプトインによるデータ活用とパーソナライズによる市民中心のスマートシティ実現に向け、国内外の有力企業、会津地域の企業や団体など、約90の会員企業・団体で構成されているコンソーシアムです。2011年に会津若松市・会津大学・アクセンチュアの産学官連携で始まった、東日本大震災からの復興に向けた取り組みを端緒として、先進的なスマートシティの取り組みが進み、多数の企業が会津若松市に集積したことを受けて、2021年に設立されました。会員企業・団体は、スマートシティのデータ連携基盤となる都市OSを軸に、ヘルスケア、防災、データ利活用、ものづくり、エネルギー、教育、食・農、地域活性化、観光、行政、決済、モビリティインフラ、IoT/ネットワーク、サーキュラーエコノミー、API、コミュニケーション領域など、幅広い分野のスマートシティサービスを、組織の枠を超えて開発、運用しています。本コンソーシアムでは、会津地域で10年以上をかけて培われた知見、プラットフォーム、ネットワークをもとに、会津における地域DX(デジタル変革)を目指すとともに、日本のあるべきスマートシティのモデルとして全国に発信しています。
会員企業の詳細は、AiCTコンソーシアムのWebサイトをご覧ください。 https://www.aict.or.jp/company-list
お問い合わせ先
一般社団法人AiCT コンソーシアム 事務局(担当:満田、齋藤)
電話:0242-88-5855
Mail:sac-support@aict.or.jp