会津若松市及び一般社団法人スーパーシティAiCT コンソーシアムは、「デジタル通貨フォーラム」の参加企業(注)と共に、デジタル通貨を活用した支払いや精算にかかる有効性と技術について検証するための実証実験を行い、将来的な実用化に向けた課題の洗い出しを行います。具体的には、子育て世帯への臨時特別給付を模した、デジタル通貨のコア機能である二層構造プラットフォームの挙動確認及びユーザーインターフェースとしての地域ウォレットの機能検証を行います。
会津若松市は、人口減少や少子高齢化の課題を踏まえ、ICT活用による市民生活の利便性向上や関連産業集積等による仕事づくりを目指す「スマートシティ会津若松」に約10年にわたって取り組んできたところです。今後、この取組をさらに発展・深化させていくとともに、国のデジタル田園都市国家構想への挑戦を目指しています。
このような中で、決済は、市民生活に関わる様々な分野を支える重要な共通基盤の一つであり、デジタル地域通貨の導入により、既存の決済手段ではなし得ないキャッシュレス化を達成し、シームレスなサービス間連携と地域におけるデータの横断的活用が実現できるものと考えています。本実証は、「スマートシティ会津若松」の発展・深化とデジタル田園都市国家構想への挑戦に向けた重要なプロセスの一つとして取り組むものであり、デジタル通貨の有効性を検証することで、地域課題の解決と地域活性化を目指してまいります。
(注)「デジタル通貨フォーラム」は70以上の企業・団体と有識者、関係省庁で構成され、デジタル通貨の実用化を見据えてユースケースの検討を行っています。本実証実験には同フォーラムから、株式会社インターネットイニシアティブ、一般社団法人スーパーシティAiCTコンソーシアム、住友生命保険相互会社、株式会社セブン銀行、大同生命保険株式会社、TIS株式会社、東京海上日動火災保険株式会社、凸版印刷株式会社、トッパン・フォームズ株式会社、株式会社みずほ銀行、株式会社三井住友銀行、株式会社三菱 UFJ 銀行、三菱UFJニコス株式会社、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社、株式会社ゆうちょ銀行、株式会社りそなホールディングスが参加し、必要な支援を行うと共に知見を共有しています。
■実証実験の背景
会津若松市及び一般社団法人スーパーシティAiCT コンソーシアムは、デジタル通貨の実用性を検討する「デジタル通貨フォーラム」にあって、地方都市において普及可能かつ地域でデータを活用できる仕組みを実現していくことを目指し地域通貨分科会に参画し、参加企業と協働で検討を重ねてきました。
デジタル通貨を活用した支払い・精算等の実現により、高額な決済手数料や即時現金化出来ない等の地方都市における既存のキャッシュレス決済にかかる課題解決や、行政における給付事務の軽減等が見込まれます。
■実証実験の概要
トッパンフォームズの提供する携帯電話向けメッセージ配信サービス「EngagePlus」*1を用いて、市役所から住民のスマートフォン宛に通知、本人認証とクーポンの受給意思確認の手続きを行います。
スマートフォンにTISの提供する地域ウォレットをダウンロードし、市役所から受給を希望する住民のウォレットにクーポンを交付します。
住民は店舗において、クーポンを使って子育て用品を購入します。別に酒類を扱う店舗も用意、そこではクーポンが利用できないことを確認します。購入情報は匿名化された上で市役所に還元され、施策効果の検証に活かされます。
ディーカレットDCPの構築する二層構造プラットフォームを活用し、ゆうちょ銀行の普通預金口座を裏付けとしたデジタル通貨を発行、クーポンの利用状況に応じデジタル通貨を用いて店舗に対し売上の精算が行われます。
実証実験終了後、市役所と店舗はそれぞれ所有するデジタル通貨を償却し、普通預金口座に入金します。
以上の業務フローを、10名程度の市役所職員がそれぞれ疑似的に市役所、店舗、住民の役を担い試行します。実証実験は下記により実実施します。
日時:2022年3月17日(木)9:00~12:00
場所:スマートシティAiCT交流棟
*1「EngagePlus」は株式会社NTTドコモ、KDDI株式会社、ソフトバンク株式会社の携帯3社が提供する「+メッセージ」上でメッセージを配信するサービスです。
【本件に関するお問い合わせ先】
会津若松市スマートシティ推進室 担当:柏木 Tel 0242-39-1282
一般社団法人スーパーシティAiCT コンソーシアム E-mail :sac-support@aict.or.jp