一般社団法人AiCTコンソーシアム(福島県会津若松市 代表理事:海老原 城一)は、内閣府のデジタル田園都市国家構想推進交付金Type3事業(令和4年度)に採択された、福島県会津若松市の「複数分野のデータ連携による共助型スマートシティ推進事業」として、6分野で計16のスマートシティサービスが都市OSに接続されたことを発表します。これにより、スマートシティ会津若松全体で都市OSに連携しているのは、合計22のスマートシティサービスにのぼります。
主な内容は以下の通りです。
市OSの活用による分野を超えたデータ連携 (出典:AiCTコンソーシアム)
【データ連携にともなう都市OSの機能強化】
・さらにAPIを公開し、そのAPIをサービス創出に活かしていくための「APIポータル」を構築します(3月20日公開予定)。これにより、サービスを提供する事業者はデータ提供者が公開するAPIを活用し、地域の特色を活かし市民生活をより豊かにするサービスを迅速に創出することができます。
・農産物の生産者と、宿泊施設や介護施設、飲食店といった地域の実需者をマッチングするサービス「ジモノミッケ!®」は、2023年3月下旬より精算機能や情報可視化機能を拡充します。
・ 精算機能では、決済分野で提供しているデジタル地域通貨「会津コイン」と連携します。現金化にかかるリードタイムゼロを目指し、生産者および実需者にとっての利便性を向上させます。
・情報可視化機能ではダッシュボード画面の提供を開始し、ユーザーの取引状況や市況価格をベースに算出した参考売買価格を表示、さらに将来の価格予測(一部品目のみ)を確認できます。
・2022年10月11日のサービス開始以降、現在35の生産者、32の実需者、計67者が利用(2023年3月7日現在)しており、今後もユーザーの拡充により、地産地消を推進します
【観光分野 「産業観光を起点とした観光DX」】
・地域の観光情報提供を一元化し、地域観光のパッケージ化を図る観光支援サービス「Visitory(ビジトリー)」を拡充します。飲食店のリアルタイムな営業状況など、情報発信機能(2022年10月に先行リリース)をさらに拡充させ、3月22日からは、市内の土産物産店・観光施設・コワーキング施設・交通など、来訪者の観光や市民の日常生活に関連する情報の発信も開始します。
・スマートシティ視察の来訪者に向けた行程管理のサポートをする機能も強化し、今後は、対象を教育旅行や一般観光に拡大するとともに、引き続き、会津若松+のオプトイン情報に基づく来訪者の観光状況を地域に還元する仕組み作りを目指します。
【防災分野 「位置情報を活用したデジタル防災」】
・平時から発災時まで防災行動をサポートするデジタル防災サービスを、地域情報ポータル「会津若松+」のアプリ上で、3月下旬より本格提供を開始します。従来一部市民向けに先行提供されていましたが、このたび全市民を対象に提供します。
・災害時に、現在地から避難所などを案内する機能のほか、家族間での安否情報や・位置情報の共有機能を追加しました。平時は、位置情報に基づいたハザードマップを確認できます。
・さらに、在宅ケア支援アプリ「ケアエール」と連携することで、ケアが必要な人の安否回答や災害情報を家族や関係者に共有することで、個別化された避難支援につなげます。
・今後も市民の声を反映させながら継続的に機能を改善し、個別避難計画の作成支援機能といった機能拡充を予定しています。オプトインにより提供された情報に基づいて”パーソナライズされた災害対応の実現”を目指します。
【ヘルスケア分野 「医療データベース構築、遠隔医療の拡充」】
・市民のオプトイン(事前承諾)に基づき、オンライン服薬指導や健康相談に対応できるサービス「HELPO(ヘルポ)」を3月15日に新たにリリースしました。高血圧、慢性循環器疾患に特化したオンライン健康相談サービスである「テレメディーズBP」と、それ以外の診療や服薬指導などにも活用可能な「HELPO」が提供されることで、市民一人ひとりの生活習慣に寄り添った健康管理を支援します。
【行政分野 「行政手続き連携による“書かない”手続きナビ」】
・窓口に備え付けのタブレット端末や市民が所有するスマートフォン等を利用して、転入・転出・転居およびそれらに伴う各種手続きのデジタル申請を2022年10月3日から提供開始しています。
・マイナンバーカードの本人確認機能を活用し、本人同意を行ったうえで、行政が保有している情報を利用するサービスを2023年3月22日に開始します。加えて、3月末までには、対象手続きと取り扱い窓口をさらに拡充し、全22部署で当該システムを順次本稼働予定です。
・今後も、全ての方が行政手続きの利便性を享受できる仕組みとして、対象手続きを増やすことにより、市民の皆様に寄り添った「デジタル化でより便利な窓口サービス」提供し、住民サービスの向上を目指します。
【 決済分野 「地域課題解決型デジタル地域通貨」】
・今後、食・農分野と連携し、生産者と需要家実需者の納品状況に基づいてリアルタイム精算処理を進める「現金化リードタイムゼロ」の実現を目指します。デジタル地域通貨によるキャッシュレスを普及させ、地域で購買データ利活用することで地域全体の生産性向上を目指します。
「複数分野データ連携の促進による共助型スマートシティ推進事業」全体概要(出典:会津若松市)
会津若松市の室井照平市長は次のように述べています。「デジタル田園都市国家構想推進交付金デジタル実装タイプTYPE3の支援により、市民生活に関わる多くの場面でデジタルの恩恵を感じることが出来るスタートラインに立つことが出来ました。本年度構築したデジタルサービスを市民の皆さまに普段使いして頂けるよう、引き続き体験して頂く場を積極的に設け、改善と周知に取り組むことで、理解の浸透と利用拡大の好循環に繋げてまいります。また3月10日には、次年度のデジタル田園都市国家構想交付金デジタル実装タイプTYPE3の採択を本年度に引き続き受けることが出来ました。次年度では、マイナンバーカードをデジタルサービスの基盤の一つとして活用していくことを計画しており、市民の皆さまの生活利便性をさらに向上させるとともに、同様の課題を抱える地方都市のモデルとなるべく、引き続き『スマートシティ会津若松』を進めてまいります」
AiCTコンソーシアム 代表理事の海老原 城一(アクセンチュア・イノベーションセンター福島 センター共同統括)は次のように述べています。「デジタル田園都市国家構想推進交付金TYPE3の事業を完遂し、都市OSを活用して地域住民の皆様や地元企業の方々へのサービス提供を拡張できたことを大変嬉しく思います。引き続き、地域の方々からフィードバックをいただきながら日々の生活で利便性を実感していただけるスマートシティサービスの実現にまい進します。また、会津若松で構築する、分野を超えたデータ連携による新しいモデルを、会津から全国へと広げていけるよう、AiCTコンソーシアム一丸となって推進してまいります」
一般社団法人AiCTコンソーシアムについて
AiCTコンソーシアムは、オプトインによるデータ活用とパーソナライズによる市民中心のスマートシティ実現に向け、国内外の有力企業、会津地域の企業や団体など、90以上の会員企業・団体で構成されているコンソーシアムです。2011 年に会津若松市・会津大学・アクセンチュアの産学官連携で始まった、東日本大震災からの復興に向けた取り組みを端緒として、先進的なスマートシティの取り組みが進み、多数の企業が会津若松市に集積したことを受けて、2021年に設立されました。会員企業・団体は、スマートシティのデータ連携基盤となる都市OSを軸に、ヘルスケア、防災、データ利活用、ものづくり、エネルギー、教育、食・農、地域活性化、観光、行政、決済、モビリティインフラ、スマートホーム、サーキュラーエコノミー領域など、幅広い分野のスマートシティサービスを、組織の枠を超えて開発、運用しています。本コンソーシアムでは、会津地域で10年以上をかけて培われた知見、プラットフォーム、ネットワークをもとに、会津における地域DX(デジタル変革)を目指すとともに、日本のあるべきスマートシティのモデルとして全国に発信しています。
会員企業の詳細は、AiCTコンソーシアムのWebサイトをご覧ください。
■お問い合わせ先
一般社団法人AiCTコンソーシアム 事務局(担当:満田、齋藤)
電話:0242-88-5855
Mail : sac-support@aict.or.jp